頭の中の言葉、解読に成功 障害者と意思疎通やロボット操作にも応用期待
 
頭で思い浮かべた言葉の一部を脳波の変化から解読することに、九州工業大情報工学部(福岡県飯塚市)の山崎敏正教授(58)の研究グループが成功した。

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グー、チョキ、パーなど選択肢を絞った条件の下、それぞれの言葉が発声時と無発声時でほぼ同じ波形を示すと突き止めた。
五十音の一部でも識別に成功しており、今後全ての音の波形を分析できれば、単語や文章の解読も可能になる。
研究が進めば、障害で言葉を話せない人との意思疎通や、音が伝わらない宇宙空間や水中での通信手段への応用が期待できる。
山崎教授は「動けと念じればロボットを操作できるSFのような応用も可能となる」としている。

 山崎教授が着目したのは、言語をつかさどる脳内領域「ブローカ野(や)」。前頭葉にあるブローカ野は発声直前に活動を始め、脳が発する信号「運動準備電位」が生じて、脳波に変化を及ぼすことが知られていた。
 山崎教授のグループは、十数人の男女学生を対象に「グー」「チョキ」「パー」の三つの言葉を実際に声に出した時と、頭で強く意識した際の脳波を比較。直前の約2秒間は同じ運動準備電位が起こり、同一の個人であれば、脳波が三つの言葉それぞれでほぼ同じ波形になると判明した。「春、夏、秋、冬」でも同様の結果だった。
 
 グループは五十音の分析にも着手し、春夏を構成する「は」「る」「な」「つ」は80~90%の精度で脳波から識別することに成功した。
ただ、同じ言葉でも波形には個人差がある。
今後は被験者を増やし、五十音などの普遍的な波形を探るという。
母音が少ない日本語は、発音が複雑な英語より信号として解析しやすく、山崎教授は「日本がこの分野で世界をリードできる」とみている。
 
 脳波の研究に取り組む理化学研究所脳科学総合研究センター(埼玉県和光市)の脳信号処理研究チームリーダー、アンジェイ・チホッキ氏は「独自で創造的な研究成果であり、障害者などが必要としている技術だ。正確な実験を続けて実用化につなげてほしい」と話している。

■子音の識別 例を見ない
 
 堀潤一・新潟大工学部教授の話 脳の活動から言語や動作を予測する研究は欧米で生まれ、国内では約20年前に始まった。
手足の上げ下げなど動作をイメージすることに伴う脳波の研究が主だったが、動作は複雑かつ多様で、分析するのは容易ではない。
言葉については、母音の識別には成功したことがあるが、子音の入った単語の識別は聞いたことがなく、幅広い可能性を感じる研究だ。
 
(西日本新聞1月4日;
ソース:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160104-00010000-nishinp-sctch








【今日の風景】

理工系の基礎科学を少しでも齧ったことがあると分かりますが、大変な努力の積み重ねの上に成り立っています。

実験器具や測定機材を一から作らなければならないことが普通にあるようです。

それがまた、新しい技術に繋がります。

例えば電子線を利用した『電子顕微鏡』の研究でドイツのエルンスト・ルスカが1986年ノーベル物理学賞を受賞し、『超解像度の蛍光顕微鏡』の研究で2014年ノーベル化学賞をエリック・ベッチグ、ステファン・ヘル、ウィリアム・モーナーが受賞しています。

統計解析用コンピュータなども同様です。

天文学(宇宙物理)などでは時間の掛かる特殊な計算には普通に、『手作りのスーパーコンピュータ』が使用されています。

ご存知の方も多い『SETI計画(seti@home)』も同様の発想から構成されました。

それにしても今回の脳波の解析は、更に複雑な段階が予想されます。

単純な二次元波形解析では済まない、三次元+変化率解析とその分類と関係性の解析。

人間の記憶のしくみもまだ分かっていないくらい遅れている分野としては、なかなかに楽しみなことではありますけど。

解析プログラムの構築と解析用スーパーコンピュータの作成で『ノーベル賞』受賞も可能です。

さてさて単純に人が「考えている事が分かる」ようになるには後、どれ位掛かるやら。




 

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