「今はほぼ“フル在宅”で労務管理の仕事をしています」と話す松浦圭子さん(41)。クラウドセキュリティツールの開発・販売を行うITベンチャー・HDE(東京・渋谷)と業務委託契約を結び働いているフリーランス人材だ。松浦さんとHDEとの出会いは今から1年ほど前のこと。ハイスキル人材と企業とのマッチングを行う人材紹介会社を通してのことだった。

●在宅ベースから「フル在宅」へ移行

 「当時は、正社員で労務担当者を探していました」と振り返るのはHDE人事部長の高橋実氏。なかなか相応の経験を持つ人材に出会えず、困っていたという。そんな中で出会ったのが松浦さんだった。複数の企業で人事制度・各種規則の設計や労務管理の経験があり、「まさに理想的なキャリアでした」(高橋部長)。

 ただ、子どもが幼稚園に通っており、松浦さん自身は10~14時にしか稼働できないのがネックだった。しかも郊外エリアに住んでいるため、渋谷にあるオフィスまで通うとなると片道1時間半はかかってしまう。正社員として働いてもらうには、時間と場所の制約があったのだ。そこで考えた末に「業務委託契約」を結び、在宅ベースで働いてもらうことにした。

 松浦さんが担当するのは、刷新を予定していた勤怠管理システムの導入業務。「在宅ベース」とは言っても、当初はオフィスに不定期に出社してもらい打ち合わせを行うことは考えていたという。ところが次第にほぼ出社がない「フル在宅」の形態へと移行していった。完全に‟フル在宅”のスタッフは松浦さんが初めてだった。

 「私が出社して社員の方々に質問をしたりすることで、みなさんの仕事の手を止めてしまうことを心苦しく感じていました。しかも、新規のシステム導入なんて社員にとっては完全にプラスアルファの業務です。質問したい点が出てきたらメールや社内チャットで投げかけておいて、お手すきの折に返信をもらうやり方のほうが、互いに負担にならないのではないかと思いました」(松浦さん)

 「在宅」への働き方のシフトチェンジは、HDEの事業内容によるところも大きい。そもそもクラウドセキュリティツールを開発する会社なので、扱う商品自体がリモートワークを推進している。社内にも、対面の会議より、社内SNSによるコミュニケーションや意思決定を促進している風潮があった。高橋部長は言う。

●チャットでも隣の席にいる感覚

 「私たちのメインのコミュニケーションツールは社内SNSによるチャットです。オンラインでも会議室にいる感覚、隣の席にいる感覚で会話をしています」

松浦さんにとっては、仕事上でチャットを使うのは初めてのこと。当初はもちろん不安があったという。

「でもSNS自体はプライベートでは使っているのですぐに慣れました」

 ただし、ビジネスシーンで使うチャットはプライベートで使うそれとは異なる。松浦さんは特に、短文で簡潔に相手に意図が伝わるような文章の書き方をかなり意識しているという。高橋部長も相手のレスポンスに時間がかかっているときは、咀嚼できていないか、返答の仕方に困っていると考えるようにしている。そういう場合は、さらにかみ砕いた表現で重ねてメッセージを送ることもあるという。こうした日々の心がけが”リモートコミュニケーション”を円滑に行うポイントのようだ。 

 “リアルコミュニケーション”にこだわると、互いの時間と場所を合わせる必要がある。しかし、今やいつでもどこでも仕事ができる環境は整っている。「私は寝る前の30分くらいに軽くメールチェックをして、気になることがあれば松浦さんにチャットで連絡しておく。そうすると翌朝、私が起きて歯磨きをしているときに彼女のほうからレスポンスが入るという具合です」(高橋部長)。働く時間や場所に差があっても、ツールをうまく使って補えば、迅速な業務遂行を実現できるというわけだ。

●時短勤務の男性営業職も

 業務委託スタッフである松浦さんが、完全フル在宅という新たな働き方を切り拓いたことで、HDEでは社員の働き方についても幅が広がりつつあるという。いま社内には、時短勤務の男性営業職もいる。家庭の事情で子育てを一人で担うことになり、なかなか残業ができないのだという。

 「非常に優秀な人材でぜひとも採用したかった。だから私たちも固定概念を捨て、‟時短”という条件を提示しました。本人も驚いていましたよ」と高橋部長。表に立って顧客対応を行う営業職ではなく、営業活動を社内から支える役割を与えることで、本人の可能な時間内で能力発揮できる仕組みを作った。現在HDEでは、より柔軟性を持たせる形で人事制度や就労規則の見直しを進めているという。

 育児や介護などにより、働く時間や場所に制約を抱えた人材は、今後ますます増えるだろう。「パフォーマンスを出せるスキルと経験を持っている人が、制約があるがゆえに能力を発揮できないのは本当にもったいない。働き方の形を自分たちから変えていくことで、新たな潮流を生んでいきたい」と高橋部長は語る。こうした企業は着実に増えつつある。 

(東洋経済オンライン10月31日抜粋


【今日の風景3】

信じられない。

今から14年ほど前私、東京単身赴任のサラリーマンでした。

お客、外資関連のコンピュータ関係なら当時の横河HP、日本NCR、日本IBM、CTC、ジェトロニクス、HPに買収される前のconpaq、撤退する前のgateway、appleなどなど。

HPの営業などは、週に1・2回しか会社に来ない。

一般レポートは、電話と携帯メールで。

当然家庭にも会社PCがある(普通のPCとは一味違う)。

会議は、テレビ。

専用線。

セキュリティのため。

会議に一般公衆回線なんて論外。

今は、そんなに公衆回線の信頼度が上がった?

それも人事・総務関連で公衆回線。

ダダもれ。

この話、基本的にダメ。

個人情報?

普通に各会社の名簿が手に入った、全部。

だからダメ。

全然変わってない?

むしろあぶない。

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