AmazonをEコマースの会社だと思っているなら、認識を改めた方がいいかもしれない。Eコマースは、インフラを構築し、クラウドサービスとして販売することを正当化する口実のようなものだ。一番おいしい収益を上げているのは、「Amazon Web Services」なのだ。

 Amazonの第3四半期の業績がそれを物語っている。実際にAmazonの業績報告を見てみれば分かる。Amazonの総売上高のうち、Amazon Web Servicesは8%だが、営業利益で見ると同事業は52%を占めているのだ。これは、Amazon Web ServicesがAmazonの北米のEコマース事業と同じ額の利益を上げていることを意味する。

 これがどういうことか、分かるだろうか。Amazonは北米で5億2800万ドルの営業利益を上げるのに、150億ドルの売上高を必要とした。しかしAWSは、20億8000万ドルの売上高から、5億2100万ドルの営業利益を上げたのだ。

 (中略)

 Amazonのビジネスモデルをざっと調べてみた人であれば、そもそもなぜオンラインストアが重要なのか疑問を持ったかも知れない。最終的な利益しか見ない人から見れば(これはAmazonの姿勢とは異なるが)、同社はクラウドを第一に考え、オンラインストアは二の次に位置づけるべきだと思えるだろう。

 しかし、ことはそう簡単ではない。Amazonの出自がEコマース企業であることこそが、AWSが成功している理由だからだ。まず、Amazonは顧客中心主義であり、あまり利益幅にはこだわらない。Amazonの考え方は、企業は顧客に支持されてさえいれば、その事業が最終的にどうなっても、長期的には必ず報われるというものだ。第2にAmazonはEコマースの非常に薄い利益によって生まれ、育まれてきた。

 この出自が、エンタープライズIT業界の現状にとって破壊的である理由は、次の通りだ。

1. 多くのITベンダーは、長年の間大きな利益幅に依存して経営を続けてきており、それは今でも変わっていない。従来のインフラやメンテナンスに支払われてきたお金は、大変な額だ。そしてエンタープライズITベンダーは、顧客に古い製品への支払いを続けてもらうために、メンテナンスの料金を下げるのではなく、監査やその他の定常的に発生する過酷な仕事を請け負っている。

2. そこへ、利益幅が非常に小さい業界からAmazonが参入してきた。AWSの粗利益はだいたい25%前後だと思えばいい。エンタープライズIT業界の従来の企業が、粗利益をAWSと同じ水準に抑えたら、これまでの半分になってしまうか、それよりも悪くなるケースも出てくる。ところがAmazonにとっては、粗利益25%は、従来の商品を売って出荷する仕事と比べると、22%も高い数字なのだ。有利なのはAmazonだ。

3. Amazonは下層から上層に向けてバリューチェーンを上がってきている。AmazonがエンタープライズIT業界に対してやっていることは、Clay Christensen氏が著書「イノベーションのジレンマ」で書いたことそのままだ。Amazonはインフラ事業で最下層からサービスを開始したが、ライバルの大手企業はそのやり方をばかにした。従来の大企業は価値の高い領域を追求しているため、市場の下層をAWSに取られても問題はないと言っていたのだ。AWSがスタックを上に上がり始めると、旧来企業が安穏としていられる上層の領域は狭まっていった。これは、トヨタが米国の自動車産業にやったことと同じだ。AWSは、ビッグデータ、アナリティクス、データベース、ビジネスインテリジェンスなどの領域に参入することで、同じことをエンタープライズIT市場で再現している。

 従来のITベンダーは、組織改変や合併、大規模化、分割、その他の努力をしてクラウドを取り込もうとしているが、方程式を変えない限りはうまくいかないかもしれない。AWSはエンタープライズITベンダーが取っていた利益幅よりも、はるかに利益幅が低い世界からやってきたのだ。一部の大手IT企業は移行に成功するかも知れないが、そこに痛みが伴うことは確実だろう。 

(ZDnet.com11月2日抜粋;ソース:http://japan.zdnet.com/article/35072527/



【今日の風景】 

なにをいってるのかよく分からない文章である。

キャノンの各事業部の利益率がどうなっているのか、

かつてのNCRやcompaqがどうなったのかを知らないわけではないはず。

単純な企業買収時のものの見方。
 

今日は午前中ずっと雨。

晩秋の冷たい冷たい雨。

吐く息が白くなりました。

ネコは既にこたつの虫。

じじぃは、丹前と毛糸の帽子で完全武装。

近所の悪がき曰く

「びんぼ神ってほんとにいるんだ。」

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